強度近視メガネについて

アイケアシステムでは、強度近視の方に「メガネ嫌い」をなくし、「楽しく」「楽に見られる」メガネの提案をしております。


  • 「渦(うず)が目だつ」
  • 「ずれる」
  • 「耳が痛い
  • 「不格好で外出などとんでもない」

だからコンタクトレンズに頼りっきりになってしまったと異口同音におっしゃいます。そこで店主はクール(おしゃれ)な強度近視用メガネについて勉強しました。
結果いろいろな技術を駆使することで、かなり薄く軽くなる強度近視用メガネをお作りする事が出来ることが解りました。
コンタクトレンズもつらいし近視手術(レーシック)も不安だし「どうしよ〜」とお悩みなら強度近視用メガネも一考されたらいかがでしょうか?

おしゃれな強度近視用メガネは、きっと大きな驚きと満足感を与えてくれるでしょう。

強度近視メガネはフレーム選びから

強度近視のメガネ選びのポインは、レンズ選びよりフレーム選びが大切です。ベストなフレームを選ばれると値の張る超高屈折レンズでなくても薄く・軽く出来る事があります。

アイケアシステムが考える強度近視用フレームを選ぶときのポイント

  • 強度近視のウズがほとんど目立たない事
  • 強度近視の厚さがほとんど目立たない事
  • 強度近視ゆえの重さに悩まされない事
  • 強度近視メガネを普通に掛けられる事

アイケアシステムでは皆様に上記のようなメガネになるよう誠意をもってアドバイスさせていただいております。

ガラスレンズを使用し全重量を20グラム以下に抑えることが出来た軽い強度近視メガネの実例

ガラスレンズ使用、
レンズは非球面ガラスレンズの屈折率1.9です。レンズ(加工前の丸生地)の縁厚(ふちあつ)は約12mm、重さ95gでした。

加工後の最大縁厚は右4.5mmでした。強度近視メガネの重さ出来上がりのメガネ(レンズ+フレーム)の重さは19gでした。

強度近視メガネ
出来上がりメガネの重さは19g

店主の老眼鏡と比較して


店主の使用しているプラスチックレンズ使用の老眼鏡(+1.0D)の重さは22gなのでそれより軽く出来上がりました。

店主のメガネ
店主のメガネの重さは22g

妻の使用している度数が+2.0D老眼鏡は、重さは20gでそれより軽く出来上がりました。

妻のメガネの重さは20g

つまりガラスレンズを使った強度近視にもかかわらず強度近視に最適なフレームを選ぶことで、普通のプラスチックレンズ使用の弱度老眼鏡と同程度の重さで出来上がった事になります。

一般的な強度近視メガネの特徴

  • 光学的・・目とレンズの距離や傾きが矯正効果の変化や網膜像の歪曲を生じさせるので注意が必要。
  • 審美的・・レンズのフチが厚くなり渦が目立つようになり、実際の目の大きさより小さくみえる。
  • 物理的・・重くなり鼻パットが当たる部分やモダン(テンプルの先端)が当たる部分に負担をかけ、皮膚が赤くなったりたりずり落ちやすくなる。

店主が考える理想的な強度近視用メガネ作製

眼鏡処方箋やコンタクトレンズからほぼ正確な度数がわかる時の順番

  1. フレーム選び
  2. 屈折検査(メガネ度数を決める検査)
  3. レンズ選び
  4. メインフィッティング
  5. 加工(レンズ入荷後)
  6. アフターフィッティング(お渡し時の)

と続くのが最適ではないかと考えています。
度数が全く解らない場合は、1.と2.の順番が入れ替わる事があります。
それは、2.の検査で予想外の強い近視だった場合 選んだフレームではうまく対処出来ない事もあり得るからです。

強度近視の方がフレームを選ぶ時の基本

  • ブリッジに弾力性がありすぎるのは避けましょう。
    そり角が一定しないとか、頭部への当たりが弱くなるので超弾性素材は避けましょう。
  • テンプルは弾力性のありすぎるものは避けましょう。
    頭部への当たりが弱く保持力が減るので
  • 細すぎて頭部への当たりが弱いのも避けましょう。
    頭部への当たりが弱く保持力が減るので
  • モダン(テンプルの先)はある程度自由に曲げられるものを選びましょう。
  • 常用眼鏡では、レンズが互いに内側に向いている内ぞりは避けましょう。
  • 頂間距離は睫毛につかない程度に短くできる枠を選びましょう。
  • 検査時の「テストレンズと目の距離」と「メガネレンズと目の距離(頂間距離)」は同じか調整で同じになるものを選びましょう。
    この辺は少し専門的ですので、スタッフのアドバイスを受けるようにしましょう。
  • 不同視がある場合は、光学的上下斜位を防ぐ意味で天地の少ない枠を選びましょう。
  • 瞳孔間距離とフレ-ムの中心間距離は同じか少しフレ-ムの中心間距離の広いのを選びましょう。
    例えば瞳孔間距離が62mmなら
    玉型42mm鼻幅20mmでフレ-ムの中心間距離は62mmとか
    玉型44mm鼻幅20mmでフレ-ムの中心間距離は64mmとか
    強度近視には玉型42mm以下鼻幅18mm以上を選ばれると良いようです。

当店を含む眼鏡専門店は、お客様と一緒にフレームを選ぶため以上の知識は不要かもしれません。

10Dを越えるような強い近視は

  • 玉型42mm以下鼻幅が24mm以上を選ぶとかなり薄く軽く出来ます。
  • 両テンプルの幅(フレーム幅)は顔幅より広過ぎたり狭いのは避けましょう。
  • レンズを入れた時のフロントとテンプルの重量バランスがよいものを選びましょう。
  • なるべく傾斜角の調整が不要なものを選ぶか傾斜角の調整ができるのを選びましょう。前傾角による収差を防ぐ目的で

目とレンズの距離(角膜頂点間距離)を短めにすることによる効果

  • 網膜像の大きさの変化を少なく出来る。
  • 網膜像の歪みを少なく出来る。
  • 距離感の変化を少なく出来る。
  • 視界が広くなる。
  • レンズ越しに見た目の大きさがあまり小さくみえない。

「頂間距離と度数効果 例ー1」

ある三重テスト枠で、眼からの距離が、中央のレンズポケットと眼に近い方のレンズポケットで6mm違うとしたら。今、中央ポケットを使い1.0の矯 正視力を得た度数が-6.5Dだったとすると、目に近い方を使うと同じ視力を得るのに-6.25Dで済むと言う事が起きる。これは頂間距離(角膜頂点間距離)の違いによるも のだが、計算式からも求められます。

計算式(概略)

△D=D×D×h/1000

△D=6.5×6.5×6/1000

△D=0.2535≒0.25

△D:矯正効果の変化量(D)   D:レンズ度数(D)  h=頂点間距離の変化(mm)

「頂間距離と度数効果 例-2」

例えば検査処方時の頂間距離が17mmで度数が-10.00Dだとして、作製されたメガネの頂間距離が12mmとなった場合の矯正効果の変化は、 D=10×10×5/1000=0.50Dとなる。これは0.5D強い度数、すなわち-10.50Dの矯正効果となり過矯正となる場合もあります。

強度近視用フレームの一例(当店最強度近視対応)

当店取り扱いフレームの中でも群を抜く強度近視向けフレームです。デザインはオーソドックスなオーバルなので性別を問いません。上下幅は、20mmと狭いので視界の邪魔にならないか注意が必要です。(ただ今生産終了のため在庫切れ)

強度近視向けフレーム

強度近視に最適なフレーム

強度近視に最適なフレーム

縁厚と重さの関係

屈折率の異なるガラスレンズの最大縁厚と重さの比較

(玉型の中央に瞳孔がくるようなフレームを選ぶことが重要であるとの論旨なのでお急ぎの方は読み飛ばして下さい。)

この度、強度近視の方のお役に立てればと思い、実物のフレームを器械でトレースし、そのデータをコンピュターで解析しレンズの種類の違いによる厚みや重さの比較をしてみました。

先にレンズの「光学中心間距離」と「瞳孔間距離」それに「フレームの中心間距離=フレームPD」について述べさせていただきます。

  1. 特殊な場合(プリズム効果を付加)を除きレンズの光学中心間距離と瞳孔間距離を合わせます。
  2. 選ばれたフレームの「フレームPD」と「瞳孔間距離」が同じならレンズの光学中心をずらす必要はありませんが、選ばれたフレームの「フレームPD」が瞳孔間距離より広い場合はレンズの光学中心を内寄せする必要があります、逆の場合は外寄せする必要があります。
  3. 今回は、光学中心をずらす必要のないフレームPDが68mm瞳孔間距離68mmのフレームの場合と、内寄せする必要があるフレームPDが74mm瞳孔間距離68mmのフレームの場合を考えてみました。

データ-は右下の写真のフレームとホヤのガラスレンズの組み合わせで行いました。またフレームトレーサーはHOYAのGT-3000とHOYAのホストコンピュターを使いました。

この比較を強度近視用としての実際の玉型サイズ36mm~46mmにて計測したかったが、ソフトが小さいサイズでには対応していないため、やむなく玉型サイズ46mmのものを使用しました。

念のために、、、当店がお勧めする強度近視用メガネは玉型サイズが46mm以下の場合が多く46mmでの計 測結果ほどレンズの厚みや重さの差も顕著ではありません。例えばこの比較を横40mm縦26mmの枠で行ったとすればその差は遙かに少なくなります。特に 重さにおいてはそのメガネをかけてみて明らかに違いがわかるほどの差はでませんのでご承知下さい。)

使用したサンプルガラスレンズについて

-6.00D以下は中心厚がレンズによって異なり比較が困難なため対象からはずした)

商品名略号屈折率比重アッベ数設計中心厚(mm)
エルエイチアイ-2LHI-2 1.61.6032.6342.2球面設計0.8
エルエイチアイLHI 1.71.7063.2139.9球面設計0.8
ティエイチアイ-2THI-2 1.81.8123.6533.0球面設計0.8
ティエイチアイTHI 1.91.8923.9930.4球面設計0.8

以下の[データー1]は玉型中心間距離が68mm瞳孔間距離68mmの場合です。つまり寄せゼロの場合です。

商品名エルエイチアイ-2エルエイチアイティエイチアイ-2テイエチアイ
略号LHI-2 1.6LHI 1.7THI-2 1.8THI1.9
近視度数厚さ重さ厚さ重さ厚さ重さ厚さ重さ
-6.003.65.23.25.52.96.02.76.8
-7.004.15.73.66.03.36.53.07.0
-8.004.66.14.16.53.77.03.47.6
-9.005.16.64.57.14.07.43.78.0
-10.005.67.14.97.54.37.94.08.5
-11.006.27.65.37.94.78.44.39.1
-12.006.78.25.88.45.18.94.79.6
-13.007.38.76.39.05.59.45.010.1
-14.007.99.26.89.55.99.95.310.6
平均5.687.164.947.494.387.934.018.56

厚さは最大縁厚でmm 重さは片方の重さでg(グラム)

上の表をグラフにしたのが以下です(重さはレンズ2枚一組となっています。)

以下の[データー2]はフレームPDが74mm瞳孔間距離が68mmの場合です
寄せ量は内側に左右3mmとなっています

[データー2]
商品名LHI-2LHITHI-2THI1.90
略号1.61.71.81.89
POWER厚さ重さ厚さ重さ厚さ重さ厚さ重さ
-6.004.55.43.95.73.56.13.36.2
-7.005.15.84.46.24.06.73.66.7
-8.005.76.45.06.74.57.24.17.8
-9.006.36.95.57.24.87.64.48.3
-10.007.07.46.17.75.38.24.98.8
-11.007.78.06.68.25.88.75.39.4
-12.008.58.57.38.86.39.25.89.9
-13.009.39.17.99.36.99.86.110.4
-14.0010.29.78.69.97.410.36.611.0
平均7.147.474.947.745.398.204.908.72

厚さは最大縁厚でmm 重さは片方の重さでg(グラム)

上の表をグラフにしたのが以下です(重さはレンズ2枚一組となっています)

表-1 寄せゼロと内寄せ3mmとの厚さと重さの比較

商品名LHI-2LHITHI-2THI1.90
略号1.61.71.81.89
POWER厚さ重さ厚さ重さ厚さ重さ厚さ重さ
平均差(1)-21%-4%-20%-3%-19%-3%-18%-2%
-10Dの差(2)-20%-4%-20%-3%-19%-4%-18%-3%
-14Dの差(2)-23%-5%-21%-4%-20%-4%-20%-4%

表1(1)よりサンプル平均で寄せゼロの方が内寄せ3mmより厚さで18%~21%ほど薄くなる
表1(1)よりサンプル平均で寄せゼロの方が内寄せ3mmより重さで2%~4%ほど軽くなる
表1(2)より度数が強くなるほどすべてのレンズで寄せゼロの方が薄くなる傾向にあり、重さもわずかに軽くなる傾向にある。
つまり玉型の中央に瞳孔がくるようなフレームを選ぶ(フレームPDと本人のPDが等しい意味)ことでレンズの最大縁厚の軽減が、かなり可能であることが解る 重さも2~4%ほど軽減が可能となる。

例えば’-10.00Dの人が内寄せ3mmのフレームを選び1.89の屈折率のレンズにしたら
データ2より最大縁厚は4.9mmになる。しかし、内寄せゼロのフレームにしたら
データ1より同度数にも拘わらず最大縁厚は4.0mmになり0.9mm薄くなる。
また最大縁厚4.9mmでほぼ満足されたとしたら内寄せゼロのフレームにすると屈折率1.7の廉価のレンズで対応出来るのが読み取れる。


近視とは

近視眼の状態

  • 角膜や水晶体の屈折力が強くなり網膜の前で結像する
  • 水晶体の位置が前進する(前房深度が浅くなる)ことで網膜の前で結像する
  • 眼軸が伸びる事で網膜の前で結像する

等が考えられます。それは単体及び複合的に生じているものと思われます。

(上記は、厳密に言うと水晶体の調節作用が働いてない場合(遠方無限遠を見ている時)のことであります。)

近視の目とは?

近視とは近くのものははっきり見えるが遠くのものはぼけて見える状態です。言い換えれば近くの物にはピントが合うが遠くの物にはピントが合わない状態です

屈折性近視とは

水晶体や角膜の屈折力が増す事し網膜の手前で結像する近視を「屈折性近視」とよんでいる。

軸性近視とは

眼球の奥行き(眼軸長)が増し網膜の手前で結像する近視を「軸性近視」とよんでいる。

偽近視とは

偽近視とは水晶体が必要以上に膨らみその結果屈折力が増し網膜の手前で結像する、あたかも近視のように装うものです。偽近視は「調節緊張」ともよばれていますが、一般には「仮性近視」とも呼ばれています。

近視進行防止方法

一度近視になってしまうと視力回復(正視に戻るか近視度数が弱くなる)はかなり難しいというのが一般的な考えです。また、近視進行を止める方法も望遠訓練法を利用した各種器機が存在しますが、どれも決定的ではないようです。簡便な方法として私は、近業の合間に3メートル以上離れた所にあるカレンダー等の文字を目の筋肉が リラックスするよう念じながら凝視する事をお勧めしています。簡単な方法で近視進行の抑制になればラッキーです。

近視発生の原因は

小学校低学年からの近視は、両親が近視である確率が高いことから以前から遺伝性が関係するのではないかと言われていましたが、最近DNAに近視の遺伝情報が見つかったようで、遺伝性も関係すると実証されたようです。またパソコンや勉強に伴う近視は、環境に適応した結果の近視と解釈されているようです、しかし視環境に適応したのなら近業距離の25~30(遠点25センチの近視度は計算上-4.00ディオプターで遠点30センチ近視度は-3.33ディ オプター)より強い近視(-6.00Dとか-10.00D)にならなくてもよいように思われます。また、初めて掛けるメガネの度数が-4.00 D以上の方もいる事実から、視環境とは別の力も働いてしまうのではないかと疑ってしまいます、(例えば近視化のスイッチがいったん入るとそれが継続してし まい強度近視になってしまうとか)ともかく近視の発生と進行防止は、今のところ良く分からない事が沢山あります。

病的近視

遺伝性で、乳幼児の頃から近視となり大人になってからも進行します。眼軸が延びる事で強度近視となりますが、それに伴い網膜が薄くなり豹紋状眼底を呈します。さらに眼軸が延びると眼底に萎縮や変性が見られ硝子体融解や網膜剥離などの合併症を引きおこす事もあります。

網膜剥離

網膜剥離の画像

網膜が引っぱられて裂けてしまい、網膜が脈絡膜から引き離される。剥離した網膜は栄養をもらえなくなり、網膜側にある視細胞が死んで視野が欠損します。放置すると網膜全体が剥離し確実に失明します。

核白内障

水晶体が濁って物がぼやけて見える白内障のうち、強度近視では水晶体の中心部の「核」が濁る核白内障が起こりやすく、若いうちから発症する事があります。

核白内障  (かくはくないしょう)とは

白内障は水晶体の濁り方で3種類に分類され、核白内障は水晶体の中央部が濁ります。ほかに、皮質白内障(水晶体の端から濁る)、後嚢下白内障(後側 から濁る)があります。核白内障が進行すると、水晶体の屈折力が高まって近視化することがあり、老眼が軽くなったような感じになることがあります。また、 物が二重に見えるケースもあります。

近視性黄斑部出血

眼軸長が伸びることで網膜の黄斑部にある膜が断裂し、新生血管という病的な破れやすい血管が網膜に侵入。新生血管が出血したり浮腫を生じることで視力低下を招きます。

近視性網膜脈絡膜萎縮

網膜やそのすぐ外側にある脈絡膜が引き延ばされて薄くなり萎縮することで眼球が黄色く見えます。年齢とともに増加し、軽度のものも含めると30歳代 で強度近視の人の約半数にみられます。視力障害や視野障害が徐々に進行し、矯正視力0.1以下といった極端な視力低下の恐れもあります。

近視性視神経障害

網膜や脈絡膜だけでなく、眼球の後ろについている視神経も同時に伸びて変形し、視神経障害の原因になる。早期から視野の中心部が欠けやすいため、早い段階から視力障害を起こすケースも多くみられる。視野障害が進行し続けることが多く、早期発見、早期治療が重要です。

仮性近視

仮性近視について

一般的によく「仮性近視」と呼ばれる眼の状態は眼科(学)では、あるいは専門家の間では偽近視とか調節緊張とか呼ばれています。仮性近視 が引き金になり近視が起こるのではないかと言われ たりもしていますが、真偽は定かでないようです。
さてお子さまの遠方視力の低下が疑わ れたらまず眼科にて調節麻痺剤を使用した検査を受けましょう。
遠視(系)なのか近視(系)の中の「仮性近視」なのか「真性近視」 なのか、それと乱視の有無の判断をしてもらいましょう。
検査は点眼前後のレチノスコープやオートレフラクトメーターの屈折値や点眼前後の裸眼視力の変化及び矯正度数などで判断されますが、遠視(系)ではなく、近視(系)だとしても、一度の検査では「仮性近視」な のか「真性近視」なのか診断がむずかし場 合もあります。その場合は、裸眼視力が低めであっても、すぐには眼鏡処方はせずにとりあえず点眼により様子を見るということになる場合があります。「仮性近視」 であればミドリンMという目薬を就寝前に使用することで、視力が調節緊張分は回復します。
しかし数ヶ月使用しても視力が戻らなければ残念 ながら本当の近視と考えなければなりません。本当の近視であったのなら、調節麻痺剤の点眼を数か月も続けたことは、結果としては無駄だったということですが、それは、点眼をしてみないとわからないことですので、しかたがありません。
これを読んで、裸眼視力が悪くて授業中に不便をきたしているのに、効果があるかどうかわからない点眼などするよりも、あるいは、点眼をしながらもとりあえずは授業に困らない程度の視力が出るメガネを掛けさせてあげたいと思われる親御さんもおられるかもしれません。そういう親御さんには私は次のように申し上げたいです。
黒板の字などを見ようとしただけで本来遠方を見るときには不要な調節の介入が生じてしまい結果見にくいというお子さんが少数ではありますがおられます。
つまり「仮性近視」なわけです、本来は近視ではないのでメガネは不要となるところですが、学業に支障が生じる場合は調節効率をかんがみそれ用のメガネを作る場合もありますので眼科医に良く相談してみてはいかがでしょうか。