黄斑前膜(黄斑上膜)メガネ

黄斑前膜の写真
黄斑前膜の眼底

黄斑前膜が皺(しわ)になることで網膜が変形し物がゆがんで見えたり物が大きく見えたり小さく見えたりします。そのような不快な見え方でお悩みのお客さんにアイケアシステムでは特殊なメガネで解決させていただいています。解決可能かどうかは事前検査で判断出来ます。事前検査はメガネを作るための検査なので費用はかかりません。

黄斑前膜の特徴である

  1. 1.矯正視力の低下
  2. 2.網膜像の拡大や縮小(大視症、小視症)
  3. 3.像の位置ズレ(斜位)
  4. 4.歪み

等があります。
残念ながら4.の「歪み」はメガネレンズで矯正できませんが、1.〜3.までの不快な症状は、程度にもよりますが、黄斑前膜(上膜)メガネで解決可能です。そのような機能的メガネを当店では、わかりやすく「黄斑前膜メガネ」と呼んでいます。

黄斑前膜について東京逓信病院のwebで詳しく紹介しています。

黄斑前膜とは
引用先:東京逓信病院のホームページから。

黄斑前膜対応サイズレンズとは

眼科手術の進歩により網膜剥離や黄斑前膜など網膜症の手術例が多く見受けられるようになりました。

網膜症やその後に起こること

  • 黄斑前膜症の術後(術前も含む)による物が大きく見える大視症や少視症状態
  • ものが歪んで見える状態
  • 両目で見ると物が二重に見える状態(自覚がない方がほとんど)

などで苦痛を感じ相談される方が増えています。

当店お客さん曰く

黄斑前膜や網膜剥離のお客さんのほとんどが、不等像視で困り執刀眼科医およびスタッフに相談すると「網膜像を大きくするレンズはないので慣れるしかない」と言われたと仰います。そこで、医療従事者にとってあまり馴染みのない網膜像の大きさについてお話したいと思います。

網膜に写る像の大きさに関係することがら

光学的なもの

  • 屈折異常の程度(power factor)
  • 眼球の焦点距離
  • 光軸と光束のなす角度
  • 屈折異常のある目では屈折補正前と後で網膜像の大きさが変わる現象

感覚的なもの

網膜面積の拡大、縮小(視細胞の変化)などの変形によるもの

黄斑前膜の術前術後に生じる不等像視の補正に使用するサイズレンズについて

網膜像を大きくする方法

1、目とレンズの距離を変える。
 凹レンズの場合、距離を短めにすることで網膜像の縮小を抑えられる
 凸レンズの場合、距離を短めにすることで網膜像の拡大を抑えられる

2,レンズの厚さを厚くすることで像の拡大効果が得られる

3,レンズの前面カーブをきつく(深く)することで像の拡大効果が得られる

不等像視でお困りの場合、対処方法は上記方法によります。サイズレンズは左右レンズの形状の違いから生じる視覚的な違和感や外見的違和感ををなるべく少なくするためと使うフレームからレンズが外れないようレンズの厚さとレンズ前面カーブの組み合わせの最適化を図りメーカーに注文します。普通のレンズは、度数だけで発注できますが、サイズレンズは他の要素(レンズの厚さとレンズ前面カーブ)も合わせて指定する特注品になります。

遠用眼鏡レンズの倍率

1.眼鏡倍率SM=spectacle magnification
裸眼のときのぼけた網膜像の大きさと、矯正眼におけるはっきりした網膜像の大きさの比、(眼鏡倍率はpower factor とshape factorの積で与えられる。power factor ×shape factor)

2.相対眼鏡倍率、RMS=Relative Spectacle magnification
標準的正視眼の網膜像の大きさに対する矯正眼の網膜像の大きさの比で屈折異常が軸性か屈折性かで異なる。

レンズの厚さやカーブを変えることで網膜像を大きくする計算例

計算例
今、左右ともレンズの
主点屈折度数Dv:+4.00D,
前面(第一面)度数D1:+10.00D,
レンズの厚さt:4.5mm(4.5/1000m),
レンズの屈折率n:1.5
のレンズがあるとします。不等像視のため左眼の網膜像を5%拡大しようとしたらレンズ前面度数と厚さはどのようにしたら良いかという問題です。
(ただし後面(第二面)度数D2:-6.00Dとして)

公式

SM(spectacle magnification)=M1(power factor )×M2(shape factor)

右レンズのrSM=rM1×rM2とし①
左レンズのlSM=lM1×lM2とすると②
題意よりlSM=rSM×1.05③

上記公式に当てはめrM1(右レンズのMS(power factor ))を求めると
rM1=1/((1-(t/n)×D1))に数値を代入し
rM1=1/((1-(0.0045/1.5)×10))=1.03092
が得られる。これは右眼の度数のみによる眼鏡倍率で3.092%拡大します。という意味
題意により
lSM1=rSM1×1.05より
lSM1=1.03092×1.05=1.0824
つまりrSM1=8.24%拡大可能な「レンズ前面度数」と「厚さ」を求めればよいことになります。

公式

4=D1/(1-t/nD1)+(-6)より
4+6=D1/(1-t/nD1)
10=D1/(1-t/nD1)=1.0824—————–(Ⅰ)
rM1=1/((1-(t/n)×D1))———-(Ⅱ)
2に1を代入すると
10=D1×1.0824———-(Ⅲ)
D1=9.24 つまりD1=+9.24D
答え+9.24Dの度数

(Ⅰ)の分子、分母にnを掛け整理して n/(n-tD1)=1.0824
変形して t=n(1.0824-1)/1.0824×D1
t=n×0.0824/D1×1.0824
ところで(Ⅲ)よりD1=10/1.0824なので
nに1.5、 D1に10/1.0824を代入して
t=1.5×0.0824/1.0824×10/1.0824
t=0.01236
答え12.36mmの厚さ

結論
前面カーブを+9.24D
中心厚12.36mm
にすることで網膜像を5%拡大できる

黄斑上膜(前膜)メガネの事でよくあるご質問の回答

  • サイズレンズは網膜像の拡大は出来ますが、縮小は出来ません。
    (例えば右目が大視症なら右目の網膜像を縮小すればと普通は考えますが、レンズそのものでは出来ないので、左眼の網膜像を拡大する事になります。)
  • 網膜のシワから生じる像の歪みはレンズで解決することは難しいです。
  • サイズレンズはプラスチックの単焦点で厚くなります。
  • カーブのあるレンズになるためフレームはラウンド(丸型)かオーバル(楕円)が望ましいです。
  • レンズは税込み一組38,500円からになります。フレームは税込み30,000 円台からになります。
  • 非点収差を除くための「チェルニングの楕円」に沿ったレンズ設計は難しいです。(多少ゆがみが出ます)