網膜剥離術後メガネ

網膜に裂け目(裂孔)ができると、そこから水分が網膜の裏に回り、網膜が剥がれてきます(網膜剥離)。網膜剥離の治療はこの裂孔を塞ぐことになります。

網膜剥離を起こした網膜は治療後、大なり小なり網膜が変形します。網膜剥離が起きた場所により物がゆがんで見えたり物が大きく見えたり小さく見えたりします。そのような不快な見え方でお悩みのお客さんにアイケアシステムでは特殊なメガネで解決させていただいています。解決可能かどうかは、事前検査結果からその場で判断出来ます。20分ほどの事前検査は無料です。(本人が期待した効果が得られない場合や変性が大きすぎてレンズメーカーが作れない等はこの時点でわかります。)

網膜剥離術後眼の特徴は?

  1. 網膜像の拡大や縮小(大視症、小視症)
  2. 両目で見ると物が二重に見える。(=像の位置ズレから生じる斜視や斜位のようなもの)
  3. 右眼と左眼の度数差が開き過ぎる(=不同視)、(患眼のみ人工水晶体挿入者)
  4. 人工水晶体は調節機能が無いためピントの合う距離が狭くそれ以外の距離は見にくい
  5. 像の歪み
  6. 矯正視力の低下

等があります。
残念ながら5.の「像の歪み」はメガネレンズで矯正・補正はできません。また
6.の「矯正視力の低下」は発症前のように矯正視力が1.0とか1.2とか出ない状態です。
1.〜4.までの不快な症状は、程度にもよりますが、網膜剥離術後メガネで解決可能です。そのような機能的メガネを当店では、わかりやすく「網膜剥離術後メガネ」と呼んでいます。

特徴には個人差がありますので、検査が必要です。

網膜剥離について東京逓信病院のwebで詳しく紹介しています。

膜剥離とは
引用先:東京逓信病院のホームページから。

当店お客さん曰く

網膜剥離のお客さんのほとんどが、不同視や不等像視で困り執刀眼科医およびそこのスタッフに相談すると「網膜像を大きくするレンズはないので慣れるしかない」と言われたと仰います。そこで、医療従事者にとってあまり馴染みのない網膜像の大きさについてお話したいと思います。


以下の内容は黄斑前膜メガネのページと内容が重複しています。

網膜に写る像の大きさに関係することがら

光学的なもの

  • 屈折異常の程度(power factor)
  • 眼球の焦点距離
  • 光軸と光束のなす角度
  • 屈折異常のある目では屈折補正前と後で網膜像の大きさが変わる現象

感覚的なもの

網膜面積の拡大、縮小(視細胞の変化)などの変形によるもの

網膜剥離の術後に生じる不等像視の補正に使用するサイズレンズについて

網膜像を大きくする方法

1、目とレンズの距離を変える。
 凹レンズの場合、距離を短めにすることで網膜像の縮小を抑えられる
 凸レンズの場合、距離を短めにすることで網膜像の拡大を抑えられる

2,レンズの厚さを厚くすることで像の拡大効果が得られる

3,レンズの前面カーブをきつく(深く)することで像の拡大効果が得られる

不等像視でお困りの場合、対処方法は上記方法によります。サイズレンズは左右レンズの形状の違いから生じる視覚的な違和感や外見的違和感ををなるべく少なくするためと使うフレームからレンズが外れないようレンズの厚さとレンズ前面カーブの組み合わせの最適化を図りメーカーに注文します。普通のレンズは、度数だけで発注できますが、サイズレンズは他の要素(レンズの厚さとレンズ前面カーブ)も合わせて指定する特注品になります。

遠用眼鏡レンズの倍率

1.眼鏡倍率SM=spectacle magnification
裸眼のときのぼけた網膜像の大きさと、矯正眼におけるはっきりした網膜像の大きさの比、(眼鏡倍率はpower factor とshape factorの積で与えられる。power factor ×shape factor)

2.相対眼鏡倍率、RMS=Relative Spectacle magnification
標準的正視眼の網膜像の大きさに対する矯正眼の網膜像の大きさの比で屈折異常が軸性か屈折性かで異なる。

レンズの厚さやカーブを変えることで網膜像を大きくする計算例

計算例
今、左右ともレンズの
主点屈折度数Dv:+4.00D,
前面(第一面)度数D1:+10.00D,
レンズの厚さt:4.5mm(4.5/1000m),
レンズの屈折率n:1.5
のレンズがあるとします。不等像視のため左眼の網膜像を5%拡大しようとしたらレンズ前面度数と厚さはどのようにしたら良いかという問題です。
(ただし後面(第二面)度数D2:-6.00Dとして)

公式

SM(spectacle magnification)=M1(power factor )×M2(shape factor)

右レンズのrSM=rM1×rM2とし①
左レンズのlSM=lM1×lM2とすると②
題意よりlSM=rSM×1.05③

上記公式に当てはめrM1(右レンズのMS(power factor ))を求めると
rM1=1/((1-(t/n)×D1))に数値を代入し
rM1=1/((1-(0.0045/1.5)×10))=1.03092
が得られる。これは右眼の度数のみによる眼鏡倍率で3.092%拡大します。という意味
題意により
lSM1=rSM1×1.05より
lSM1=1.03092×1.05=1.0824
つまりrSM1=8.24%拡大可能な「レンズ前面度数」と「厚さ」を求めればよいことになります。

公式

4=D1/(1-t/nD1)+(-6)より
4+6=D1/(1-t/nD1)
10=D1/(1-t/nD1)=1.0824—————–(Ⅰ)
rM1=1/((1-(t/n)×D1))———-(Ⅱ)
2に1を代入すると
10=D1×1.0824———-(Ⅲ)
D1=9.24 つまりD1=+9.24D
答え+9.24Dの度数

(Ⅰ)の分子、分母にnを掛け整理して n/(n-tD1)=1.0824
変形して t=n(1.0824-1)/1.0824×D1
t=n×0.0824/D1×1.0824
ところで(Ⅲ)よりD1=10/1.0824なので
nに1.5、 D1に10/1.0824を代入して
t=1.5×0.0824/1.0824×10/1.0824
t=0.01236
答え12.36mmの厚さ

答え
前面カーブを+9.24D
中心厚12.36mm
にすることで網膜像を5%拡大できる

網膜剥離術後メガネの事でよくあるご質問の回答

  1. サイズレンズは網膜像の拡大は出来ますが、縮小は出来ません。
    (例えば右目が患眼で小視症なら右目の網膜像を拡大することは出来ますが、
    右目が患眼で大視症では右目の網膜像の縮小は出来ません。そこで正常な左眼にサイズレンズを装用し網膜像の大きさの差を縮める方法を取ります。)
  2. 網膜のシワから生じる「像の歪み」や「傾き」はレンズで解決することは難しいです。
  3. サイズレンズはプラスチック製で厚くなります。
  4. カーブのあるレンズになるためフレームはラウンド(丸型)かオーバル(楕円)が望ましいです。

望ましいフレームの例え
ANNE ET VALENTINブランドなら「当店問い合わせナンバ1065,1062,1061,8376,1053等」
theo ブランドなら「当店問い合わせナンバー91,87,85,8376,71等」
GERNOT LINDONERブランドなら「当店問い合わせナンバー10,9,8等」
LUNORブランドなら「当店問い合わせナンバー50,49,44等」
YELLOWS PLUSなら「当店問い合わせナンバー1047,1042,1037,1036 等」

  • 製作範囲の都合でレンズの直径が小さくなる場合があります。それに連動し玉形が小さめにならざるを得ない事があります。
  • 単焦点レンズは税込み一組38,500円からになります。フレームは税込み30,000 円台からになります。
  • 非点収差を除くための「チェルニングの楕円」に沿ったレンズ設計は難しいです。(多少ゆがみが出ます)
  • 近用メガネも普通に出来ます。
  • 境目のない遠近両用レンズは単焦点レンズほど拡大率を上げることが出来ませんが可能です。境目のない遠近両用レンズの値段は単焦点レンズの倍くらいです。