「視覚機能研究会」設立の趣旨

                  北出勝也OD

視覚機能とは眼の屈折、調節、眼球運動、視覚情報処理能力を総合した能力のことです。上下や水平の斜位が自分の輻輳力で補えないために複視の状態なっていたり、眼の疲れ、頭痛などの問題を持っている人は結構いらっしゃるようです。白内障の手術後に上下斜位が出て複視になってあとのケアはされていないという方も多くいらっしゃるようです。そのような場合、学業や仕事、趣味など快適に生活を行うことはできません複視の状態で運転をしていれば命にかかわることもあるでしょう。

また最近では10代から30代にかけての非老視の方でも調節が上手く働かず、近業の+レンズが必要な人も多くいるようです。このような方には両眼視検査(米国式・ドイツ式・岡本・花井式など)に真面目に取り組んでいる眼鏡店でしたら眼鏡で対応することができます。また輻輳・調節トレーニングでよくなることもあります。トレーニングはご家庭で行うことができます。

眼球運動の問題というのは眼を自在にコントロールする力が弱いために本が読みづらかったり、球技が苦手であったりする子供から大 人の方が抱えている問題です。病的な理由でしたら、眼鏡店では対応できませんが、単に外眼筋のコントロールが発達していないというだけの問題でしたら、簡単なトレーニングでこの間題を解決することができます。トレーニングはご家庭で行なうことができます。

視覚情報処理の問題は形を認知することができないという問題です。文字などが覚えられない、図形の問題が苦手になってしまいま す。これは脳の中の問題ですので、通常の眼鏡店の業務とは少し離れてしまいますが、認知練習用のパズルなどを行うトレーニングで良くなることが多いので,そういったパズルなどを薦めていただけるだけでも問題解決へのきっかけとなります。

眼鏡によって出来ることもたくさんあります。またトレーニング自体も難しいものではありませんので、視覚機能の不具合で困ってい る方のために眼鏡だけでもお役に立ちたいという眼鏡技術者のかたでも結構ですし、眼鏡調製もトレーニングも両方行って、困つている方を助けたいという方も歓迎します。

そういう方々に是非この視覚機能研究会に入っていただいて、視覚機能の問題があるのにもかかわらず、見逃されて、どこに行けばよ いのかわからない、途方に暮れている方を助けていただきたいのです。視覚機能研究会の公式ホームページで会員の勤務店の案内をして、優れた技術で視覚機能 の問題に対処できる眼鏡の提供、またトレーニングを指導できる眼鏡店を紹介したいというのが会の設立趣旨です。