物が歪んで見える
大きさが違って見える
物がダブって見える
目次
黄斑上膜術前術後メガネのフローチャートを作りました。
「メガネ購入のための予約」をする前にに必ずフローチャートでの確認をお願いします。
アイケアシステムでは黄斑前膜のため不快な見え方でお悩みのお客さんに10年くらい前より特殊な検査と特殊なメガネをもって改善させていただいております。
改善可能かどうか検査途中で確認できます。もし、思ったほど改善出来なかったり、改善出来るレンズが作れないようでしたら、メガネ作成に進むことは出来ません。
当店は「10万円前後で悩みが改善できればメガネを作りたい」とお考えの方に検査していますので、作れない場合は全く費用はかかりませんので安心です。
メガネ作成前にお客様に知っていただきたいこと
- 「検査だけ受けてみたい」方のご予約は承れません。
- レンズの形状が特殊なため持ち込みフレームにレンズを入れ替える事は出来ないとお考えください。
- 術後メガネの作成は度数が安定してからの方が良く、術後3ヶ月くらいからが目安です。
- 上記の
- 上記の「検査予約フローチャート」にてメガネ購入の判断を必ずやってください。やってない方の予約は承れません。
- 網膜のシワから生じる「像の歪み」や「像の傾き」はレンズで解決することは難しいです。
- サイズレンズは網膜像の拡大は出来ますが、縮小は出来ません。
(例えば右目が患眼で小視症なら右目の網膜像を拡大することは出来ますが、右目が患眼で大視症では右目の網膜像の縮小は出来ません。そこで正常な左眼にサイズレンズを装用し網膜像の大きさの差を縮める方法を取ります。) - サイズレンズは網膜像を拡大したい方に厚くカーブがきついレンズが入ります。
- 副作用(収差等)を少なくするため左右の網膜像の大きさを同じまでにする必要はなく両眼単一視が出来るまでその差を縮めます。個人差もありますのでこちらをご覧下さい
- フレームの形状はレンズの厚みやカーブが強くなるため収まりの良いラウンド(丸型)かオーバル(楕円)が望ましいです。(望ましいフレーム)
- 製作の都合でレンズの直径が小さくなる場合があります。それに連動しフレームの玉形が小さめにならざるを得ない事があります。
- 網膜像を大きくするサイズレンズはプラスチック製です。
- 単焦点レンズは税込み一組44,000円からになります。フレームは税込み34,000 円からになります。(単焦点レンズ=遠く用やパソコン用で遠近両用でないもの)
- 近用メガネ(読書用やパソコン用)も普通に出来ます。
- 境目のない遠近両用レンズは単焦点レンズほど拡大率を上げることが出来ませんが可能です。境目のない遠近両用レンズの値段は単焦点レンズの倍くらいです。
- 非点収差を除くための「チェルニングの楕円」に沿ったレンズ設計は難しいです。(多少ゆがみが出ます)
- ほとんどは当日のみ検査ですみますが、長いこと無理を重ねて来た目は1日の検査では決められないことがあります。
- 疾患の程度、疾患の内容、年齢当により脳が購入後のメガネを自然に受け入れる期間が異なります。(慣れの期間が必要です)
黄斑前膜症の特徴
眼科手術の進歩により網膜剥離や黄斑前膜など網膜症の手術例が多く見受けられるようになりました。
- 矯正視力の低下
- 網膜像の拡大や縮小(大視症、小視症)
- 像の位置ズレ(網膜のズレによる斜位のような状態)
- 像の歪み
等があります。残念ながら
4,の「像の歪み」はメガネレンズで矯正できませんが、
1.2.3の不快な見えかたは、ほぼ黄斑前膜(上膜)メガネで解決できます。
当店では、黄斑前膜症の辛い見え方を解決してくれるメガネをわかりやすく「黄斑前膜メガネ」「黄斑上膜メガネ」と呼んでいます。
黄斑前膜について東京逓信病院のwebで詳しく紹介しています。
黄斑前膜とは
網膜症やその術後に起こること
- 黄斑前膜症の術後(術前も含む)による物が大きく見える大視症や少視症状態
- ものが歪んで見える状態
- 両目で見ると物が二重に見える状態(ずれの程度が少ないと自覚がない方がほとんどですが、左右の網膜像のズレを融像(合体)するのに眼筋や脳に付加をかけるので、眼がつかれる、ふらつく、首や肩が凝るなどの不快な症状が伴います。)
などで苦痛を感じ相談される方が増えています。
当店お客さん曰く
黄斑前膜や網膜剥離のお客さんのほとんどが、
不等像視で困り執刀眼科医およびスタッフに相談されると網膜に映る映像を大きくするレンズはないので慣れるしかない
と言われたと仰います。
そこで、医療従事者にとってあまり馴染みのない網膜像の大きさとサイズンズについてお話したいと思います。
本日できあがった黄斑上膜(黄斑前膜)メガネの画像です。
網膜に写る像の大きさに関係することがら
光学的なもの
- 屈折異常の程度(power factor)
- 眼球の焦点距離
- 光軸と光束のなす角度
- 屈折異常のある目では屈折補正前と後で網膜像の大きさが変わる現象
感覚的なもの
網膜面積の拡大、縮小(視細胞の変化)などの変形によるもの
黄斑前膜の術前術後に生じる不等像視の補正に使用するサイズレンズについて
網膜像を大きくする方法
1、目とレンズの距離を変える。
凹レンズの場合、距離を短かめにすることで網膜像の縮小を抑えられる。
凸レンズの場合、距離を長めにすることで網膜像を大きくできる。
2,レンズの厚さを厚くすることで網膜像を大きくできる。
3,レンズの前面カーブをきつく(深く)することで網膜像を大きくできる。
不等像視でお困りの場合、対処方法は上記方法によります。
サイズレンズは左右レンズの形状の違いから生じる視覚的な違和感や外見的違和感ををなるべく少なくするためと、
使うフレームからレンズが外れないようレンズの厚さとレンズ前面カーブの組み合わせの最適化を図りメーカーに注文します。
レンズが特殊なのでフレームの形に制約が生じます。
ご自身のお使いのフレームにレンズを組み込むことは物理的に無理だったり入れてもレンズが外れたりするので基本お受けしておりません。
普通のレンズは、度数だけで発注できますが、サイズレンズは他の要素(レンズの厚さとレンズ前面カーブ)も合わせて指定する特注品になります。
遠用眼鏡レンズの倍率
1.眼鏡倍率SM=spectacle magnification
裸眼のときのぼけた網膜像の大きさと、矯正眼におけるはっきりした網膜像の大きさの比、(眼鏡倍率はpower factor とshape factorの積で与えられる。power factor ×shape factor)
2.相対眼鏡倍率、RMS=Relative Spectacle magnification
標準的正視眼の網膜像の大きさに対する矯正眼の網膜像の大きさの比で屈折異常が軸性か屈折性かで異なる。
レンズの厚さやカーブを変えることで網膜像を大きくする計算例
計算例
今、左右ともレンズの
後頂点屈折度 Dv:+4.00D,
前面(第一面)度数D1:+10.00D,
レンズの厚さ t:4.5mm(4.5/1000m),
レンズの屈折率 n:1.5
のレンズがあるとします。不等像視のため左眼の網膜像を5%拡大しようとしたらレンズ前面カーブと厚さはどのようにしたら良いかという問題です。
(ただし後面(第二面)度数D2:-6.00Dとして)
公式
SM(spectacle magnification)=M1(power factor )×M2(shape factor)
右レンズのrSM=rM1×rM2とし①
左レンズのlSM=lM1×lM2とすると②
題意よりlSM=rSM×1.05③
上記公式に当てはめrM1(右レンズのMS(power factor ))を求めると
rM1=1/((1-(t/n)×D1))に数値を代入し
rM1=1/((1-(0.0045/1.5)×10))=1.03092
が得られる。これは右眼の度数のみによる眼鏡倍率で3.092%拡大します。という意味
題意により
lSM1=rSM1×1.05より
lSM1=1.03092×1.05=1.0824
つまりrSM1=8.24%拡大可能な「レンズ前面度数」と「厚さ」を求めればよいことになります。
公式
4=D1/(1-t/nD1)+(-6)より
4+6=D1/(1-t/nD1)
10=D1/(1-t/nD1)=1.0824-----------------(Ⅰ)
rM1=1/((1-(t/n)×D1))----------(Ⅱ)
2に1を代入すると
10=D1×1.0824----------(Ⅲ)
D1=9.24 つまりD1=+9.24D
答え+9.24Dの度数
(Ⅰ)の分子、分母にnを掛け整理して n/(n-tD1)=1.0824
変形して t=n(1.0824-1)/1.0824×D1
t=n×0.0824/D1×1.0824
ところで(Ⅲ)よりD1=10/1.0824なので
nに1.5、 D1に10/1.0824を代入して
t=1.5×0.0824/1.0824×10/1.0824
t=0.01236
答え12.36mmの厚さ
答え
前面カーブを+9.24D
中心厚12.36mm
にすることで網膜像を5%拡大できる
黄斑上膜(前膜)メガネの事でよくあるご質問の回答
サイズレンズは網膜像の拡大は出来ますが、縮小は出来ません。
例えば右目が患眼で小視症なら右目の網膜像を拡大することは出来ますが、
右目が患眼で大視症では右目の網膜像の縮小は出来ません。
そこで正常な左眼にサイズレンズを装用し網膜像の大きさの差を縮める方法を取ります。
網膜のシワから生じる「像の歪み」や「傾き」はレンズで解決することは難しいです。
サイズレンズはプラスチック製で厚くなります。また、重みも増します。
カーブのあるレンズになるためフレームはラウンド(丸型)かオーバル(楕円)が望ましいです。
術後メガネの作成は度数が安定してからの方が良く、術後3ヶ月くらいが目安です。
「術後メガネでよくある質問」のコーナーもご覧ください
望ましいフレームの例え
ANNE ET VALENTINブランドなら「当店問い合わせナンバ1065,1062,1061,8376,1053等」
theo ブランドなら「当店問い合わせナンバー91,87,85,8376,71等」
GERNOT LINDONERブランドなら「当店問い合わせナンバー10,9,8等」
LUNORブランドなら「当店問い合わせナンバー50,49,44等」
YELLOWS PLUSなら「当店問い合わせナンバー1047,1042,1037,1036 等」