調節機能解析装置のデータについて解説してます。

先般はメガネご購入ありがとうございました。
アイケアシステムからお渡しされたデータを以下のパターンと比較しご自身の目の調節状態をご理解いただければ幸いです。

調節機能測定システムとは眼精疲労の原因のひとつである「調節」を定量的に測定し視覚化するシステムです。

 

アイケアシステムでは主に

  • 屈折(正視、近視、遠視、乱視)
  • 調節(ピント合わせ)
  • 両眼視(同時視、融像、立体視)

という検査を行い、得られたデータからカウンセリングを経て「ほんとうのメガネ」をお作りしています。

この調節機能測定システムは「調節(ピント合わせ)」について
「調節刺激に対する調節反応」と「調節微動」等を詳細に自動解析・表示(視覚化)してくれるシステムです。

調節機能測定検査機の画像

 

次の図は基本フォーマットです。

横軸が調節刺激(バーチャル上の目から視標までの距離)縦軸がそれに応じた調節反応 になります。

正視の場合

無限遠を見ている時は

調節力がゼロなので①の場所に棒グラフが描かれます。

2メートル先の指標を見ているときは

0.50D分の調節をしないと明視出来ませんので②の場所に棒グラフが描かれます。

1メートル先の指標を見ているときは

1.00D分の調節をしないと明視出来ませんーので③の場所に棒グラフが描かれます。

横軸の調節刺激

±0.00から-0.50ステップで調節刺激が目盛られています。その下に無限遠から0.33メートルまでそれぞれに対応し目から視標までの距離(バーチャル)が記載されています。

縦軸の調節反応

+1.00から-0.50ステップの調節反応の目盛りが付いています。

(焦点距離の逆数がレンズの度数(デオプター:単位D)となります。)

今、図左上のHOMEがS±0.00C-0.00Ax0になっていますが、これは正視眼の人です。

これからこの解りやすい例で解説を進めていきましょう。

理屈に合ったグラフ

それぞれの図の点線部分まで棒グラフが伸びていれば調節刺激と調節反応量が釣り合っているので理屈に合っています。また緑のグラフは調節が安定している証です。調節が不安定になると赤色のグラフになります。

調節グラフ理論上

 

 

 

調節ラグを含んだグラフ

調節グラフ、ラグ有り

 

しかし老視以前の眼は普通少ない調節力で明視しようするのでグラフは点線部分以下となります。このサボりを調節ラグと呼んでいます。モーガンの標準値によれば-2.50D(指標眼前40cm)の調節刺激に対し調節反応のラグが1.00Dくらいならほぼ正常とみなしているようです。

 

 

 

 

老視のグラフ

rougan横軸の調節刺激を強くしていっても調節反応のグラフは上がらず一定です。(力が出ない)。つまり眼前2メートル未満どの位置にもピントが合いにくい状態です。

(老眼は加齢により水晶体が硬化することが主な原因と考えられています)

調節:眼前有限にある視物にピントを合わせる事。

調節力:ピント合わせの力。(遠くにピント合わせるより近くにピントを合わせる方が調節力が必要です。)

 

「老眼+調節緊張」のグラフ

老眼で調節不良のグラフ 前の「老眼」と同じく横軸の調節刺激を強くしていっても調節反応のグラフは上がらずほぼ一定です。違いは全域に渡り黄色や赤色が混ざっています。これは調節微動(HFC)(調節不安定)が生じているためです。つまり「調節緊張状態」と言ってよいでしょう。

(調節微動が強いと赤色で調節微動が殆どないと緑色で表しています。グラフ欄右側に調節微動(HFC)の状態を色で示しています。)

 

正視眼のグラフ

正常範囲のグラフ次に老眼前の「正常」な正視眼です。調節刺激に対し調節反応が追従しています。視性刺激が-2.00D以上になると緑色のグラフの中に黄色や赤色が混ざってきています。これは調節微動(HFC)が生じている証拠です。しかし、程度は微細ですので正常範囲と見なしてよいでしょう。

 

 

 

「調節緊張」のグラフ

調節緊張のグラフ調節刺激に対し調節反応が追従していますが、調節刺激が-2.00D以上になると特に黄色や赤色が断然多くなっています。これは調節微動(HFC)が生じているためです。すべての調節刺激に対し調節緊張による調節微動が生じていると考えられます。

 

 

 

「テクノストレス」のグラフ

テクノストレスの画像調節刺激が弱いうちは緑色なので調節微動がなく調節反応が安定していいます。調節刺激が強くなるにつれ赤色がかなり多くなってます。つまり調節刺激が強いときに調節微動(HFC)が生じている証拠です。

パソコンやスマホを長時間見る事で近見時調節微動(HFC)が生じていると考えられます。近見時には、眼に相当な負担が生じていると言えるでしょう。パソコン作業時に眼精疲労や頭痛、肩こりなどの症状を伴っている事が多い事例です。

 

 

「調節パニック」のグラフ

調節パニックのイラストグラフ左端の調節刺激がない(±0.00付近)では普通調節反応も±0.00Dなのですが、この例では±0.00Dを上回る調節反応をし、グラフ右端の調節刺激が強い(-2.00D〜-2.50D)では調節刺激に対し調節反応が弱すぎます。調節刺激が-3.00D付近では急に調節していて一貫性がありません。つまりパニック状態と言ってもでもよいでしょう。当然眼痛、頭痛がひどくまともに物を見る事が出来ない状態です。

 

 

「調節痙攣」のグラフ

調節痙攣のグラフ調節刺激の強さに拘わらずすべての領域で。ほぼ赤色が占めています。つまり大きな調節微動(HFC)がありそして、調節反応もまちまちです。これは調節痙攣状態と言っても良いでしょう。こちらもまともに物を見る事が出来ない状態になっています。